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酒井 健二; 奥 隆之; 奥平 琢也; 甲斐 哲也; 原田 正英; 廣井 孝介; 林田 洋寿*; 加倉井 和久*; 清水 裕彦*; 広田 克也*; et al.
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011116_1 - 011116_6, 2021/03
中性子基礎物理学において、パリティ非保存(PNC)項や時間反転非保存項と干渉する中性子スピンと標的核スピンの相関項は重要な研究テーマである。中性子共鳴ピーク付近でPNC項の増大が測定され、スピン交換光ポンピング(SEOP)法によりの偏極が得られるキセノン(Xe)は、本研究にとって興味深い原子核である。我々は小型SEOPシステムを用いた偏極Xe標的を開発し、核破砕中性子源で得られる大強度の熱外中性子ビームを利用した項の研究を計画している。その第一段階として、我々はXeの9.6eV共鳴ピーク付近でのXe偏極時と非偏極時の中性子透過率比の変化を捕らえることで、項に起因する中性子偏極能力の測定をJ-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)のBL10で試みた。実験では、本測定系がドップラーブロードニングの影響()を検知できることを実証した上で、初期結果として有意なの値を得ている。現在はをより詳細に評価するために、核磁気・電子スピン共鳴法によるXe偏極度の導出を進めている。